石上神宮フォトログ 山の辺の杜から
2018.02.18
浴びる春光
テーマ:境内

 

2月は「きさらぎ」と呼ばれ、「衣更着」とも書くが、江戸中期の賀茂真淵は「木久佐波利都伎也(きくさはりつきなり)」と説いて、木草

が芽を張り出すという意と言っています。

他にこの時期、陽気の盛んになることを示し、「気更に来る」という説もあります。

確かにこの月の後半になると、野山は依然生彩を取り戻し、凛とした空気の中にもあちこちで春の息吹を見つけることができます。

まさしく今まで色彩の乏しかった野山をはじめ生活圏も、にぎやかな雰囲気となり春、再生の時を実感すると共に我々の生活する日本は四

季ある国で、時間の流れは一直線ではなくて、円循環となっていて、始まりがあって、終りがあり更に続いてまた始まりがある、このこと

を繰り返していることを確信します。

正しくこれからが一年の中で最も四季の始まりを感じることができる時期にして、皆様も極寒とお別れして春への日々の変化を楽しむとき

ですぞ。

2018.02.14
おんだ(御田)の松苗(まつなえ)
テーマ:境内

 

当神宮は市内63ヶ町が氏子地域となり、すべての町に氏神さんがあるわけではありませんが、この時期は、としごいのまつり・祈年祭・

おんだと称して、稲をはじめとする五穀の豊穣と皇室国家はじめ氏子地域の安泰・安寧を祈る最も古い神事が必らずあります。

各町村によって伝統に従った風習があり、なかには松苗(まつなえ・苗松とも)を供えて行うところもあります。

時期もいろいろで、神田に見立てた所で行う、また別の所で予祝の行事として行うなど多様な行事となっています。

最近は担い手の不足で超簡素化が進み、特徴あるお祭がどんどん消えていっています。

まだそれでも近くの山に出かけて、松の小枝を取ってきて、藁縄(わらなわ)などで括って、祭典に供え苗代田や水田の水の入る水口(みなく

ち)に害虫除けとして立てる家もあります。

当県の古い歴史に由来して、作りものの牛などが登場するおんだもあり、一様の芸能として、セリフも古体を伝え、なかなか面白く一度ご

近所の祭典をリサーチして、御覧になられたら良いと思います。

2018.02.10
蠟梅の香漂う
テーマ:境内

 

今神宮の周辺では蠟梅が咲いています。

一月の下旬に二・三輪咲き出しましたが、その後の厳寒で、早く開いてしまったことを悔んでいたのか、ずっとそのままで月日が進み、

やっと満開状態となりました。

蠟梅は中国原産で江戸時代の初期に我国に入ってきたので、「唐梅(かわうめ)」の別名があり、梅と同時期に開花すると言います。

しかしながら神宮周辺にある梅は老梅で、寒さに弱くまだまだ固い蕾のままとなっています。

梅は香り高い花で、「匂草(においぐさ)」との別名もありますが、蠟梅も蠟細工のような艶やかで透き通ったような黄色い花からも甘い香

りが漂ってきます。それで英語では「ウィンタースイート」と言うそうな。

道端ではほとんど目にしないので、花屋さんででも鼻を近づけてみて下さい。

だれかの俳句に、蠟梅を老梅と書く花屋は駄目とか言うのがありました。それには確かに狼狽します、ダメですよね。

2018.02.08
降る雪の中に
テーマ:境内

 

昨年に生まれたニワトリ君たちは、天上から降る雪は初体験で、白いものが落ちてくるのが珍しいのか、餌と思っているのか、二羽三羽と

降りしきる雪の中に出てきて、ひたすら啄(ついば)んでいます。

雨の日はと言うとさすがに学習がすでに出来ており、毛が濡れるのを嫌うのか、屋根のある下で過ごしています。

全体が羽毛で覆われているので、保温と防水は万全と思われますが、やはり足が濡れるのを嫌がるものと思われます。

鳥類の密生する毛にもおのおの機能があり、表面は正羽(せいう)という主に飛ぶための毛があり、その下に綿羽(めんう)と呼ばれる、言わ

ゆるダウン、ふわふわの羽毛があって、これが防寒と耐水性を維持していて、厳寒を物ともせず雪上を闊歩できるのです。

啄ばんでいるその姿をよく見ると、背には降った雪がのっていて、いかにも寒そうで、心優しい私は少々哀れな気持ちになってしまいま

す。

2018.02.04
木末のほよ
テーマ:境内

 

『万葉集』の中に「あしひきの 山の木末(こぬれ)の ほよ取りて かざしつらくは 千年寿(ちとせほ)くとそ」(18-4136)があり

ます。

この歌は大伴家持が天平勝宝二年(750)正月二日に越中国府の役所で、郡務をつかさどる役人たちを集めて、正月の宴を催した時に詠ん

だものです。

「山の梢のやどりぎを取って髪にさすのは、皆がいつまでも栄えるようにと祝い願う気持ちからですよ」と言ったものです。

木に寄生する「ほよ」(やどりぎ)のことが詠まれ、この寒い冬でも青々としているので、永遠の生命力あるものとして、吉兆延寿の木とし

て信仰されており、頭や身につけて、長寿を願っていました。

日本と同じようにこの民俗・信仰はヨーロッパにも広く見られることです。

今すっかり葉を落とした木々に注意して眺めると見つけることができ、じっと見ているだけでも長寿長命のお力をいただけるかもしれませ

んよ。

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