石上神宮フォトログ 山の辺の杜から
2018.12.15
冬ざれ
テーマ:境内

 

境内はすっかり末枯(すが)れて、時雨(しぐれ)模様となり、落葉が風に散り動き、周辺の景色も冬ざれの景となってきました。

冬ざれとは冬になって草木が荒れ、山野湖沼など一面の景色がものさびしくなっているさまを言います。

古くは冬が「されば」で、去るの第一義は「移りめぐってくる」という意味なので、冬がやってくるということだったのに、いつの間にか

誤用が定着してしまいました。

日本列島に北からの寒冷前線が下りてきて、落魄(らくはく)蕭然(しょうぜん)の様(さま)濃く、いざいざ意識をきっぱりと真冬モードにし

ないといけません。

折りしもインフルエンザが流行入りしたとの発表がありました。

皆様くれぐれもお気をつけ遊ばせ。

いのちあるもの皆眠り冬ざるる 丹詠

2018.12.12
吹き寄せ
テーマ:境内

 

寒い北風が吹いて、遅い紅葉した葉が舞い落ち、境内のあちこちに寄せ集められています。

折柄の雨も加わり、散りゆくものの放つ渋い輝きになぜか心ひかれるものがあります。

これを吹き寄せと言って、古来より着物などの文様にもなっています。

先日まで色鮮やかに種々の色を織り出した紅葉は、着飾って美しさを自慢しているようで、少々鼻につくようにも感じられます。

その点敷松葉や吹き寄せは、わび寂びに満ち、名残の風情があります。

ふだんは使わない脳を動かして、高尚な興趣あふれる吹き寄せのことを考えていたら、脳が疲れたらしく急に吹き寄せの天麩羅の方に引き

寄せられてしまいました。

2018.12.08
散り敷く
テーマ:境内

 

ゴールデンイエローの優雅なコスチュームを纏(まと)っていた大銀杏が一夜の寒気と強風により、枝に数えられる程の葉を残して、すべて

散ってしまいました。

まるで春の桜の花吹雪を意識しているのか、猛烈な雨を降らすごとく今は潔(いさぎよ)く散り敷いています。

葉や木を守る神様は葉守の神(はもりのかみ)と言われ、『枕草子』では柏の木に宿っていらっしゃることが記されています。

葉守の神様はいま少々重い衣裳をお取りになって、スリムになっておられます。

2018.12.05
檜(ひのき)は火の木?
テーマ:境内

来る8日午後2時からの「お火焚祭(おひたきさい)」を前に、社務所前には除伐された若木の檜で四角に組まれた火床が完成しました。

お火焚祭はまず拝殿にて祭典があり、この時古式に則り、檜の火鑚臼(台)と火鑚杵(棒)で、火をおこして火床に運ばれ火がつけられます。

白煙を上げて燃え盛る中、神職に合わせて参加の人たちも「大祓詞」と「十種祓詞(とくさのはらえのことば)」を奏上し、一年間の皆さん

がお書きになった「願串(がんぐし)」が焚き上げられます。

檜は日本特産で『日本書紀』には宮殿をつくる材とすべしとあって、良材で樹皮は檜皮(ひわだ)として屋根に葺かれます。

火をおこす木から檜という説もありますが、上代は火の音韻は乙類で、檜(万葉がなでは比)は甲類なので、火の木説は成り立たないとする

説も。

それでも体に良い精油が多く含まれているのでたしかに燃えやすい木材です。

まあどちらにせよ、有り難い火にあたって一緒に参加してみましょう。

2018.12.02
紅葉をば取りてぞしのぶ
テーマ:境内

 

境内にはモミジをはじめ落葉樹もあって、春の新緑もなかなかのものですが、この時期秋の紅葉は特に美しく、見頃を迎えています。

大津近江宮の時代、『万葉集』によると天智天皇は内大臣藤原鎌足に「春山の万花の艶」と「秋山の千葉の彩」を競(あらそ)わせた時、額

田王は歌でもって「・・・秋山の 木の葉を見ては もみぢをば 取りてぞしのぶ・・・」と詠い、秋に軍配をあげています。

やはり秋の紅葉は春よりも色彩豊かと言うことでしょうか。

小子ご幼少の砌は、たしか11月になると山野は美しく色づいていたと記憶していますが、60年ほど経た昨今は12月に入らないと色づ

かないことになってきました。

モミジは最低気温が8度以下にならないと紅葉をはじめないとのことで、南の鹿児島県では過去50年間で紅葉日が1ヶ月以上遅くなり、

最近では年を越して、正月の上旬になっている報告があります。

正月を過ぎた紅葉狩りはゆっくり味わう余裕もなく全くの興ざめでしかありません。

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