石上神宮フォトログ 山の辺の杜から
2017.06.13
真榊(まさかき)の咲く
テーマ:境内

 

今境内の到る処の榊が花咲いて、芳香が、はたまた少々の蜜があるのか、蜂を寄せつけて、羽音が響いてきます。

特に祓所(はらえど)に咲く白い花は暫くすると蝋細工のような飴色になり、お祓いの時にまく切麻(きりぬさ)の如く一面に降り注いで、

ひとしお清浄な空間を指し示します。

『万葉集』の中に榊の歌は一首あって、「賢木」と表記されています。

『古事記』には天の石屋戸の条に「五百津真賢木(いほつまさかき)」、『日本書紀』には「五百箇真坂樹(いほつまさかき)」とあり、その

他にも別の表記があったりして、神事に広く用いられていたことがわかります。「いほつ」とは「たくさんの」と言った意味です。

当時は今の榊ただ一種を指していたのではなくて、常緑の木数種があてられていました。

神社には特にゆかり深く、神籬(ひもろぎ)・真榊・大麻(おおぬさ)・玉串など、また神門・鳥居・御垣等の左右にも用いられます。

因みに榊は日本で作られた文字で、峠・辻・畠・畑・凩・噺・働・萩・椿などと同じく国字で、平安初期にはすでに400例ほどあったそ

うです。