石上神宮フォトログ 山の辺の杜から
2017.09.10
鳥総立て(とぶさたて)
テーマ:境内

 

鳥総(とぶさ)とは梢や枝葉の茂った先のことで、木樵(きこり)が木を切ったあとに、これを切株に立てて山の神を祭ったことを「鳥総立

て」と言っていました。

この言葉は随分古くより使われていて、『万葉集』に「鳥総立て」が二首(391番・4026番)詠われています。

この時代は今よりも、もっと自然の事物に対して深い感覚と身近なものとして捉えていて、敬い慎む心が深く、これを生業(なりわい)とし

ていた杣人(そまびと)は太い木を伐った時は、木の神・山の神に対して、中程(なかほど)は有難く使わせていただきますが、元(もと)と

末(すえ)はお返ししますという心で、元の切り口に再生を願って末の木を挿したものです。

命あるものに対して敬意と敬虔な感謝と共に命の継承・再生を祈っていたのです。

今秋の台風襲来のシーズンを控えて、倒れると危険な枯損木の伐採に際し、感謝の気持ちにあわせて、命を引き継いでくれる若木の補植も

必要なこととなります。