石上神宮フォトログ 山の辺の杜から
2018.02.27
ぽかぽか陽気
テーマ:境内

 

春らしいポカポカとした陽気が二日連続となり、境内のニワトリ君たちもすこぶる体調が良さそうです。

陽気のせいか、境内のあちこちに卵を産み落としています。

さすがに朝になれば、空腹状態と見えて餌をくれそうな、気のよさそうな人を見つけると、集団で寄って行きます。

慣れている人はニワトリの好む餌を持参されていて、慣れていないと集団で歓喜雀躍し、大股で(?)一直線に集まって来るので、少々楽し

い恐怖感を味わうことになります。

それでも暫くするとみんなでは行動しなくなって、個々にそれぞれの場所に移って行きます。所詮個体なのです。

日に日に少しずつ日の光が明るくなって、柔らかく降り注いできていることを鋭敏に感じ取っているのでしょうか、光の中で寛ぐ姿を見て

いると、如何にも春の景が発する駘蕩さを感じます。

2018.02.25
軒端の梅
テーマ:境内

 

左近の桜と右近の橘の桜は元は梅であったと言う。

『万葉集』に梅は約120首、明確に桜を詠んだとされるものは46首あり、当時は花と言えば梅で、平安時代以降に桜がとってかわる

。やはり時代によって人の嗜好も変わることがわかります。この『万葉集』の梅の歌の多くは大伴旅人邸での梅花の宴や大伴一族のものが

多く、大伴家にはきっと多くの梅が植えられていたものと思われます。

小子風邪で暫く心身ともに軟禁状態で、廻りの状況など構っている余裕なく打ち過ごし、やっと籠城をといて、この世界を具(つぶさ)に見

ていると、あちこち白い花やら紅い花やら目に見えて、美しい世界になっていました。

お隣りの軒端の梅も咲きはじめていて、いよいよこれからが楽しみです。

「春の夜は軒端の梅をもる月の光も薫る心地こそすれ」藤原俊成『千載和歌集』

2018.02.21
川柳もえにける
テーマ:境内

山の辺の道沿いの川合いなどには、この時期シダレ柳がすでに穂をつけていて、もうすでに春が進んでいることを再確認し、心に春をいた

だかないと、いつまで経っても春はやって来ないなあと思ったりします。

『万葉集』にも霰や雪が降っているのにもう川やなぎは芽を出しているなあと言った歌があります。

「山の際(ま)に 雪は降りつつ しかすがに この河柳は もえにけるかも」(巻10-1848)といったものです。

集中に四首が詠われていて、早春に開花し、切っても根元からすぐに再生する生命力の強い木で、そのような力強さがそれぞれ歌われてい

ます。

表記に川楊が用いられていて、楊はかわやなぎを、柳はしだれやなぎを表すことになっているそうです。

川やなぎは猫やなぎとも言われ、花が綃毛で覆われて猫の尾のようなので、ネコが用いられています。

川柳は春一番に力強く芽吹くことより、古くから長寿や繁栄の呪力をもつ神聖な木とされ、神事の弓の代用にされます。

エンギをかついで、二・三本生けておけばいいかも。

2018.02.18
浴びる春光
テーマ:境内

 

2月は「きさらぎ」と呼ばれ、「衣更着」とも書くが、江戸中期の賀茂真淵は「木久佐波利都伎也(きくさはりつきなり)」と説いて、木草

が芽を張り出すという意と言っています。

他にこの時期、陽気の盛んになることを示し、「気更に来る」という説もあります。

確かにこの月の後半になると、野山は依然生彩を取り戻し、凛とした空気の中にもあちこちで春の息吹を見つけることができます。

まさしく今まで色彩の乏しかった野山をはじめ生活圏も、にぎやかな雰囲気となり春、再生の時を実感すると共に我々の生活する日本は四

季ある国で、時間の流れは一直線ではなくて、円循環となっていて、始まりがあって、終りがあり更に続いてまた始まりがある、このこと

を繰り返していることを確信します。

正しくこれからが一年の中で最も四季の始まりを感じることができる時期にして、皆様も極寒とお別れして春への日々の変化を楽しむとき

ですぞ。

2018.02.14
おんだ(御田)の松苗(まつなえ)
テーマ:境内

 

当神宮は市内63ヶ町が氏子地域となり、すべての町に氏神さんがあるわけではありませんが、この時期は、としごいのまつり・祈年祭・

おんだと称して、稲をはじめとする五穀の豊穣と皇室国家はじめ氏子地域の安泰・安寧を祈る最も古い神事が必らずあります。

各町村によって伝統に従った風習があり、なかには松苗(まつなえ・苗松とも)を供えて行うところもあります。

時期もいろいろで、神田に見立てた所で行う、また別の所で予祝の行事として行うなど多様な行事となっています。

最近は担い手の不足で超簡素化が進み、特徴あるお祭がどんどん消えていっています。

まだそれでも近くの山に出かけて、松の小枝を取ってきて、藁縄(わらなわ)などで括って、祭典に供え苗代田や水田の水の入る水口(みなく

ち)に害虫除けとして立てる家もあります。

当県の古い歴史に由来して、作りものの牛などが登場するおんだもあり、一様の芸能として、セリフも古体を伝え、なかなか面白く一度ご

近所の祭典をリサーチして、御覧になられたら良いと思います。