石上神宮フォトログ 山の辺の杜から
2018.04.29
いつも朧月(おぼろづき)
テーマ:境内

 

明日は旧暦春3月15日で満月となります。

秋の月は澄み渡った空に皎々と照り輝き、春の月は対照的に、にじんだ輪郭を以て重たげに昇ります。

この春の月を湿り気をおびた温かい夜気が包み込むと、草木の芽吹く芳香が一層広まり、ものうい趣きがより高まります。

これを朧月と呼び、昼間の春霞を夜に残しているのか、かすんでぼんやり見えるのです。

私には春も秋も関係なくいつも霞んでボンヤリ朧月に見えるのは年のせい、老眼のせい?

2018.04.27
赤きつつじ
テーマ:境内

 

いつの頃に植えられたのかよくわかりませんが、境内のサツキ・ツツジが咲いてきました。

つつじは『万葉集』にすでに登場しており、長歌、短歌合わせて10首あり、この中で白いつつじがほとんどで、赤いつつじは1首(6-

971)のみとなっています。

つつじの表記はいろいろあって、茵・管仕・管自・管工・都追慈があり、ヤマツツジを指しているものと思われます。

集中の巻2の185番歌は、天武天皇、持統天皇の皇子、日並皇子(ひなめしのみこ)を偲んで柿本人麻呂の歌に続いて、皇子の舎人(とね

り)が詠んだ歌が載せられ、「水伝(みなつた)ふ 磯の浦廻(うらみ)の岩つつじ 茂(も)く咲く道を またも見むかも」とあって、このつつ

じはサツキを指していると言われ、当時すでに皇子の宮殿の庭園にサツキが観賞用に植えられていたものと思われます。

この時代桜に合わせてつつじの花も注目を浴びていて、咲くとともに人の心を楽しませてくれるものでありました。

なかなか難しいですが万葉人にならってサツキ、ツツジで楽しむことを致したいと思います。

2018.04.21
青葉若葉の日の光
テーマ:境内

 

初夏を思わせる日々となり、ゴールデンウィークの集客に的を絞っていた名所はあまりに早く咲く花たちを恨んでいるようです。

境内の木々は若緑の世界となり、朝の明けるのも早くなって、ニワトリ君たちも早朝から明るい柔らかな光を受け、新緑を楽しんでいるよ

うです。

この時期人間にとっては案外、急な気温の乱高下と環境の変化などでストレスが生じ、自律神経が乱れて、頭痛、倦怠感、胃腸の不調に陥

る時でもあります。

みずみずしい新緑若葉はストレス発散に良いそうですから、自然に親しむのも一つの解決策、但し紫外線にはよくよくご注意を。

2018.04.19
海石榴(つばき)の華に似たり
テーマ:境内

 

『日本書紀』天武天皇(下)の五年夏四月四日の条の中に「瑞鶏(ずいけい・あやしきとり)を貢(たてまつ)る。その冠(さか)、海石榴(つば

き)の華に似たり」と出ていて、鶏のとさかが椿の花のようにおめでたい赤い色をしていたので、貢ったことが記されています。

当時は赤や白や黒色の目を奪う珍しいものはおめでたく、これを献ずることがひんぱんに出てきます。

「とさか(鶏冠)」の「と」はとりのことで、「さか」は冠のことでまさしく読んで字の如くです。

通常とさかは赤色で、鶏の中でも雄はホルモンの分泌によりこれがよく発達しており、この色は表皮下の血管色が見えて赤々としているのです。

トサカは単冠、バラ冠、クルミ冠、エンドウ冠などの区別があって、写真のものは単冠です。

これの機能として、威嚇や求愛などのための飾りで大きく見せて目立つためのもので自己誇示のアイテムです。

人間にもたまに大きなトサカのある人がいて、困ったものですが、これを鶏冠に来ると呼び慣わしています。

2018.04.17
今年も出ました。
テーマ:境内

 

今、神宮周辺の山際をよく見ると、白色で半透明、高さ5~10センチ程の奇妙な植物に気づきます。

但し五感を用いて探すように見ないと発見できません。

何事もそうですが、しっかり意識を働かせないと、見ているものも見えないものです。

この植物の名前は別名を「幽霊草(ゆうれいそう)」と言い、正しくはタツノオトシゴや葉が鱗状なので、銀色の竜に見立てて「銀竜草(ぎ

んりょうそう)」と呼ばれ、腐植土の多い林床に生える腐生植物です。

森の中にあるので、なかなか見られない大変珍しい植物ですが、毎年この時期、神宮周辺に現れます。

見ると少々感動しますよ。