石上神宮フォトログ 山の辺の杜から
2018.06.29
青々と茅の輪(ちのわ)
テーマ:境内

 

明日の午後5時からの夏越の大祓(なごしのおおはらえ)で、くぐる茅の輪が青々と出来上がっています。

茅の輪のことはすでに奈良時代の「備後国風土記」の逸文に、茅の輪をつける人は災厄からまぬがれるとあって、茅(かや)の呪力で疫を祓

い、無病息災を祈ってきました。

茅のほかにも菅(すげ)や真菰(まこも)も同じように用いられ、この時期の青々としたある種の植物には防腐、殺菌性をはじめとする有効な

作用が数多くあります。

それを利用したものに柿の葉ずし、笹の葉ずし、菖蒲湯、柚湯、柏餅、桜餅など日々の生活の中にたくさんあります。

鳥が巣を作る時、最初は枯れ枝や枯れ草で作り、いよいよ卵を産み出す頃になると杉などの青葉を入れるそうです。

まあそんなことで、青々とした茅の輪をくぐって、元気のパワーをいただいて下さい。

2018.06.25
私が主役(?)
テーマ:境内

牛面をつけた牛役が「モーモー」と鳴きながら登場、この牛は各地のおんだの牛と同じく、主人に従順ではなく、いろいろと脱線しながら

進んでいきます。

神田神社の境内には、白砂が敷き詰められ、四隅に忌竹が立ち注連縄で結界された神田の正面中央には、御神剣が鎮座ましましています。

この中で農作業が再現されていて、田の畦(あぜ)に小さな穴があけられ、肥料の灰を撒いて小豆を植えるなど見事に細かいところまで演

出、最後に早乙女が稲苗を植えて(置いて)終了します。

この神事で用いられた早苗は、稲の害虫除け、疫病退散、除災招福の苗として信仰されていて、祭典後にはすべて持ち帰られてしまいま

す。(1人1本ずつでお願いします。)

2018.06.23
近づく出番
テーマ:境内

 

今月の30日には、全国の神社で「夏越(なごし)の大祓式(おおはらえしき)」が行なわれます。

当神宮では午後5時からの大祓に先立って、午後1時より太鼓を「デンデン」と打って渡御をする「でんでん祭」、正しくは神剣渡御祭、

また神田神社例祭が行なわれます。

この中で神田神社の傍らに設けられた祭場にて、田植の神事を行うおんだの行事があります。

これには田を作る作男(さくおとこ)と牛の面をかぶって牛になりきる牛役と大和絣(かすり)に赤い襷(たすき)を掛け菅笠(すげがさ)をつけ

て苗を植える早乙女三名が登場します。

鍬入れの儀から田起し、畦(あぜ)塗り、大豆蒔き、土均し、早苗置、田植と続き、その道具として鍬(くわ)、鋤(すき)、箕(み)、馬鍬(まん

が)、早苗籠(さなえかご)などむかし懐かしい農具が用いられます。

この時の作男と牛役の微妙なかけ合いが面白く、場内爆笑(?)となります。(見学は自由です)

2018.06.20
祓とはつつしみの義なり
テーマ:境内

 

お祓(おはらえ)を行う所は祓所(はらえど・祓戸とも)と言い、心身を清める祓をつかさどる神様は四神で、瀬織津比売(せおりつひめ)・速

開都比売(はやあきつひめ)・気吹戸主(いぶきどぬし)・速佐須良比売(はやさすらひめ)とされています。

祭典の前には必ず修祓(しゅばつ)を行うことになっていて、『神道名目類聚抄』の「祓」の項に「祓とは、つつしみの義なり。邪念発(お

こ)れば是を除(のぞき)、あやまりてはすなわち改(あらため)、不浄をさる。日用平生(にちゆようへいせい)かくの如くして、心神常に清浄

正明(しょうじょうせいめい)ならしむ、是を祓という。」とあります。

つまり不浄を清浄に、不完全を完全に、不良を善良にし、更に災いを除き幸福を平和をもたらすことを目的としています。

この祓をつかさどる神様を祀る祓戸神社は禊場(みそぎじょう)に鎮座しているため普段は入ることは禁止されています。

一年に一度の例祭が行われる23日に限り特別に許可されています。

清浄な森の中に鎮座しているので、心してお進み下さい。但し雨天の場合は別の所からの奉仕となります。

2018.06.18
氷室の節句(ひむろのせっく)
テーマ:境内

 

蒸し暑いこの頃は冷たいものが欲しい時でもあります。

古代の人も夏には冷たいものが大好物であったようで、珍重していた様子を伺い知ることができます。

『日本書紀』の仁徳天皇62年条に、氷室(ひむろ)と言って地面を掘って茅(かや)などを敷いた上に氷を置いて草で覆い、暑くなった頃に

水酒にひたして使うとあります。

『枕草子』にも「あて(貴重・上品)なるもの」として、かき氷に甘葛を入れて、いただいたことが記されています。

平安初期の『延喜式』には、朝廷へ氷室から氷を献上する規定があって、4月~9月(夏から秋)の間は毎日運ばれていたことがわかりま

す。

江戸時代には氷室の節句と称し、陰暦6月1日に宮中では臣下が氷室の氷を賜り、それにならって民間では保存して置いたお正月の鏡餅を

氷餅と称していただいていました。

こんなことを書いていると御中(おなか・腹)のむしが騒ぎだして、今夜は氷餅ならぬ氷酒を頂戴したいと思います。