石上神宮フォトログ 山の辺の杜から
2018.08.29
稲の花咲く
テーマ:境内

 

来る9月1日は二百十日となり、台風襲来の時期で、農業を営む方々にとっては特に注意が必要となる時節です。

この二百十日を前にすでに数個の台風が来襲上陸、雨量は記録的、猛暑日も異常なほど多くしかも超高温で、異常続きの今夏です。

では異常とは「通常とはちがっていること」とあり、それではと通常を調べると「普通であること」と説明があります。

つまり異常な状態が常に起こると異常とは言えなく通常で、昨今の異常気象はもうすでに異常ではなくて通常と考えた方が正しく、これか

らの対処に有用ではないかと思料します。

そんなことを考えながら神宮周辺の青々とした田圃(たんぼ)を見渡すと、稲穂の青い籾の中から白っぽい雄しべと雌しべちゃんが伸びてい

て、花が咲き出してきているのがわかります。

稲の受粉は2、3分と短かく、炎暑の昼にのみ可能とのこと。

どうぞ暫くは穏やかな日和が続くことを願うばかりです。

2018.08.26
円座(えんざ)
テーマ:境内

 

円(まる)い形をしている座るものなので、円座とよんでいます。

古くは藁(わら)を用い、蓋(ふた)のようなので「わらぶた」とも言っていました。

ごくまれに一般の家で、夏の敷物に使っていることもありますが、最近は籐椅子(とういす)も見かけないし、普通の家から夏の風情が消え

ていっています。

神社では年中これを用いており、全面が板張りなのでこれが座る場所の指定になっています。

平安時代初期の儀式などを記した『延喜式』にすでに載っていて、それぞれ使用上の規定がありました。

藺(いぐさ)の円座は径3尺、菅(すげ)は径3尺で厚さ1寸、蒋(まこも)の円座は径2尺5寸で厚さ5分となっていて、重要な儀式の時は特

別仕様の縁(へり)を布で包んだものとなっていました。

紫錦の縁は大納言用、青錦は中納言、参議は高麗の縁などと規定されています。

普通には藺草(いぐさ)で渦巻状に作り、七巻半(ななまきはん)となって、最後の綴目は後ろにすることになっています。

表・裏があって一般の人が置くとほとんど裏むきにしてしまう不思議があります。

皆さん座りなれていないので、正座をするとすぐにシビれてくるので、注意の程を。

(適当にゴソゴソして下さい。)

2018.08.23
恋は鯉?
テーマ:境内

 

お宮の鏡池には県指定天然記念物の「わたか」を始め、鮒、鯉とどういうわけか1匹のミシシッピアカミミガメが棲んでいます。

鯉は真鯉、錦鯉をはじめ、紅白・三色・黄金・白無地などいろいろの品種がいて、木洩れ日を浴びて悠然と泳いでいます。

日本には縄文時代の住居跡付近からその骨が出土していて、日本産の鯉がすでにいたものと思われます。

また『日本書紀』景行天皇の四年春二月の条に天皇が美濃の国に行幸された時、そこにはすごい美人がいて、その美人を見そめ、求婚しよ

うとした時、美人は隠れてしまったので、どうにかして気を引こうと庭の池に鯉を放って、見に来るのを待ったとあって、この頃すでに観

賞用に飼育されていたことになります。

これから恋の語源は鯉からきたとか・・・?

美人の鯉が気持ち快く泳いでいますので、コイ探しにどうですか。

2018.08.19
うつしき青人草(あおひとぐさ)
テーマ:境内

 

この語句は『古事記』の上巻に出ていて、その前後を記すと「・・・葦原中国(あしはらのなかつくに)に有らゆるうつしき青人草

の・・・」とあって、葦(あし)のはえ茂る地上の国にいるすべての現在生きている人民と口語訳がしてあります。

うつしは「現い・顕し」の意で、現に生きていると訳されています。

青人草とは草のことではなくて、人のことで人が生まれて増えるのを青草が生い茂るのにたとえた言葉です。

確かにこの時期はどこもかしこも土のある所は青草がどんどん茂ってきて、草との闘いの日々となります。

昔は草と同じように人も増えるばかりと決まっていましたが、現在は葦原中国の青人草の数は減ってきていて、増える要素は見つかりませ

ん。

本当に近いうちにこの国が葦原で覆い尽くされてしまうのではないかと生い茂る青草を見て心配しています。

2018.08.16
鵲(かささぎ)の渡せる橋
テーマ:境内

 

当神宮の「七夕竹アート ライトアップ」も明日17日の午後9時30分で終了となります。

明日は奇しくも旧暦の7月7日で、旧七夕と言うことになります。

今の7月7日はまだ梅雨のさなかで、屋外の行事が心配されることもあって、仙台など地域によっては月遅れや旧暦で行なっている所もあ

ります。

七夕の歴史は大変古く、驚くべきことに『万葉集』に133首も記載があって、その中で柿本人麻呂が詠ったとされる歌集には38首もあ

ります。きっと大歌人の琴線に触れるものがあったのでしょうね。

七夕は機織り(はたおり)に関わって、織女祭、星祭や中国伝来の行事と日本古来の伝承や盆行事など時期が近接していることもあって、習

合して成り立っています。

中国では牽牛(けんぎゅう)と織女(しょくじょ)、日本では織姫(おりひめ)と彦星(ひこぼし)が年に一回、七夕の夜、天の川に鵲がその翼を

広げ並べたそれを渡って逢えると言うロマンチックな内容になっています。

どうも最近運動不足でとても鵲の橋は渡れそうもなく、橋ももたないと思うので、一人岸辺で天の川の水面(みなも)に照り映える織姫さん

を眺めるだけにします。

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