石上神宮フォトログ 山の辺の杜から
2018.09.13
身もそぼつ
テーマ:境内

 

そぼつとは「濡つ」と表記され、古くは「そほつ・そほず」と記され、意味は濡(ぬ)れるよりも雨量多く、ぐっしょり濡れる、中まで濡れ

とおる意味とされています。

この「そほつ」で想い起こされるのが『日本書紀』武烈天皇11年8月の条にある、影媛(かげひめ)が愛しい人を慕い、当神宮あたりから

奈良山まで追って行く時の歌があり、今の北の山の辺の道の地名が詠み込まれていて、石上・布留・高橋・大宅・春日・小佐保と過ぎ行

き、「・・・泣きそほち行くも、影媛憐れ」と結んでいる。

意訳をすれば、武烈天皇が好意を寄せた影媛であったが、平群(へぐり)の鮪(しび)とよい仲となっていることを知り激怒し、奈良山で鮪を

殺害、この状況に後を追った影媛は全身ずぶ濡れになって、悲涙目に溢れて歌ったとあります。

ひどい雨の時はいつもこの「そほつ」の状況が想起され、屋内に逃げて時を過ごすニワトリにもその衰れさをもよおしてしまうのです。

(何と心優しい人なのでしょう。)