石上神宮フォトログ 山の辺の杜から
2018.10.18
秋の香のよさ
テーマ:境内

 

先日の15日に斎行された当神宮の例祭には、古例に倣(なら)って高坏(たかつき)いっぱいに松茸が奉献され、神前に運ばれる時、参列の

人たちから一瞬どよめきが起こっていました。

最近の日本産は香りが最高で、高嶺の花となってしまい我々からは遠い存在となってしまいました。(高値の花です)

ご神前に供えられたものはもちろん日本産ですよ。

我が国には古い時代から山にはたくさん生えていたようで、『万葉集』(巻10・2233)に「高松のこの峰も狭(せ)に笠立てて 満ちさ

がりたる秋の香のよさ」(作者不詳)とあって、高松山の頂上は狭いくらいたくさん笠を立てて、マツタケが生えていて、その香りの何とよ

いことかと詠われています。

高い松のある山は、奈良春日山の東南の高円山(古くはたかまとやま)と言われていて、ここには聖武天皇の離宮があったので、人々はたや

すく入ることは出来ず、この季節には一面にマツタケが生えていたのです。だれがそれを見て歌にしたの?だから作者不詳になっていま

す。

当時の人たちはすでに香り高いマツタケを好んで食べていたようで、『今昔物語』や『徒然草』にも珍重していた様子が記されています。

我々庶民は味しめじで満足することにします。