石上神宮フォトログ 山の辺の杜から
2019.02.21
神の中なる落椿
テーマ:境内

春まだ浅い今日の朝、神庫の建つ禁足地の青々しい苔の上に紅色の五弁のやぶ椿の花がひとつこぼれ落ちていました。

人知れず高い枝に咲いていたのですね。

椿は暖帯の海岸や山林に広く生えていますが、青森県東津軽郡には北限の椿山があって、東北地方でも見られます。

もともとは暖地の植物ですが、日本海の多雪地帯に自生しているのは柳田国男によれば、なにか人の力が加わらない限り雪国には広がらな

いとされ、若狭の国の八百比丘尼(やおびくに)が椿をもって、日本各地を巡った結果だと説いています。

古くより椿は神意のあるものと信じられていて、八百比丘尼はそのせいか八百歳の長寿を保ったと言います。

『万葉集』にも九首も詠まれていて、『源氏物語』には椿の葉二枚で餡餅(あんもち)を挟んだものが椿餅(つばいもちい・つばきもち)とし

て登場していて、日本最古の餅菓子とされています。

椿葉は神意あり、邪気を払うとされていますので、ゲンをかついで一度挟んでみたら如何ですか。⑭