石上神宮フォトログ 山の辺の杜から
2019.03.28
行く春
テーマ:境内

 

桜の花が一斉に咲き出してきました。

花と言えば現在では桜となっていますが、これは平安後期以降のことで、それまでは花の主役は梅で、『万葉集』には120首も出てお

り、桜は46首しかありません。

この桜を歌に表現すると、サクラは3音なので、花の2音をともなって5音にすると作り易くなり、46首の半数ほどが「桜花」となって

います。たしかに5音になると謳いやすいです。

この桜花、今かいまかと待ち侘び、咲き始めるのを楽しみにしていた分だけ、咲けば咲いたで心ない強風が心配の種となり、ある日突然に

風に舞う花吹雪の落花、終に桜が花道を去っていく場面は寂寥たる思いがあります。

そう言えば歌舞伎の「花道」は客が贔屓(ひいき)の役者に花やご祝儀を送る道として作られたとか、また花のある役者がその通る道のはな

やかさを示す命名とか。

花のない小子には去っていくにも見事な見得も切れないので、花道を輝しく飾るのは難しいことだと納得するばかり。②