石上神宮フォトログ 山の辺の杜から
2017.03.22
風光る
テーマ:境内

日々に陽光が強くなって、落とす影も鋭くなり、吹きわたる風にも光がのっているようにも見えてきます。

春分も過ぎ、いよいよこれから昼間の時間が長くなり、木々の先は淡い緑かかった萌木(もえぎ)が目立つようになってきました。

東京では靖國神社の3本のソメイヨシノに5,6輪の花が咲き出し、開花の発表がありました。

当地はと言えば、今月の気温が全般に低いせいか、前回より遅れて開花は4月3日頃となっています。

ちょうど開花から1週間ほどで満開なので、昔の記憶のように満開の花の中での入学式になるみたいです。

花の下での楽しい一献はもう少々先のことになりそうです。

2017.03.17
春昼のたりのたり
テーマ:境内

やっと春らしい光が庭に届いて、ニワトリ君たちはのどかにゆったりと振る舞っていて、それを見ている当方もうっとり眠気に誘われる感

があります。

春昼(しゅんちゅう)って気持ちの良いものです。

地温も上がっているのか、土をほじくり返して半分ほどを潜り込ませているものもあり、満身にのたり感がただよっています。

踏み出す一歩一歩もまたゆっくりで、こういう時は静かで鳴かないものです。

春に三日の晴れなしと言いますが、暫く晴天が続くみたいなので、十日もすれば神宮外苑公園の桜が咲き出して賑やかになりそうです。

ニワトリ君たちもゆったりとしていられない時が来るので、今のうちにたっぷりと全身に春光を。

2017.03.15
光り求めて蕗の薹(ふきのとう)
テーマ:境内

二月堂のお水取りが済むと奈良には春が来ると言われていますが、ここ二三日は寒さがぶり返し、冬を思わせる日となっています。

これを冴返(さえかえ)ると言い、やっとゆるんでいた気持ちが引き締まる感があります。

畦道のすっかり枯れ果てた味気ない野に、一群(ひとむれ)のみどり色を放つところが目を引き付けます。

大きく見渡すと一群はそこかしこに広がり、うす茶のキャンバスに何色かの緑のパステルをちりばめた美しい春の構図が出来上がっていま

す。

その画の主役は蕗の薹で、中には白い花を纏(まと)っているものもあって、見事に春を演出しています。

これに反応したのか この春を体感したい衝動にかられてしまいました。

蕗の薹は最古の野菜の一つとされ、カリウム、カルシウム、カロテン、ビタミンなど豊富に含まれているそうで、天麩羅にして有難く春を

賞味したいと存じます。

2017.03.12
春光かがやく薮椿
テーマ:境内

境内には椿の木が相当数あり、特に拝殿の奥、禁足地周辺には赤い花を咲かせる薮椿が多くあります。

いづれも人工的に植えられたものではなく、自生と思われます。

薮椿は園芸品種の原種で、木は高く5メートルにもなり、花は小さくあまり目立たないものの、シンプルな五弁花の紅色が美しいもので

す。

早春から咲きはじめていますが、年によって遅速まちまちで今年は遅く、これからが楽しみです。

特に緑の色増す苔の上に落ちた花の色は咲いている時より一段と美しさ際立っています。

和歌、俳句にも落ちた花が数多く登場することに納得です。

2017.03.08
春は曙
テーマ:境内

「やうやう白くなりゆく御垣内(みかきうち)、少しあかりて、ここかしこ一羽二羽、三羽四羽と舞い降りきたる」境内の春暁は少々のどか

な風景が展開されます。

この一時(ひととき)が過ぎると、たちまちに明るくなって、遠くからサクサクと玉砂利を踏む足音が、時折重なりあい、いつもの方たちの

お参りの時となります。

春の朝は日一日と明け易くなって、それを一番に感じ取るのは庭に遊ぶニワトリたちです。

冬の夜明けと春の明けの違いは、ニワトリ君の動きを見ていると一目瞭然です。

厳しい冬を乗り越えて、やっと迎えた春のその曙は、鶏ならずとも情感豊かな日本人にとっては溢れ出る感情を無性に詩歌に書き留めて

きたものです。

ほのぼのと明け初める空を眺めていると、古人(いにしえびと)のその感情が少々理解できます。(案外詩人なのねえ。)