石上神宮フォトログ 山の辺の杜から
2018.03.23
はなやげる散椿
テーマ:境内

 

今年は拝殿の横にある神庫(ほくら)に咲く椿の花数が例年よりも相当多く、只今花盛りとなっています。

数年に1回このような年が廻ってきます。

何の剪定もしないので、花を咲かせる樹力(体力)の回復にそれぐらいかかるのかもしれません。

花を舐めて確めたことはありませんが、底の方に結構甘い蜜があって、これを求めて、メジロ・ウグイス、ヒヨドリたちが代わり代わり

やって来て啄(ついば)むせいか、美しく咲き出した花が、無残にもその命を終えるまでに落ちてしまっています。

咲き盛る花が苔生す禁足地に散り敷いて、その花にやわらかな春日射す光景は何とも言えない趣があります。

2018.03.21
佐保姫のご来臨
テーマ:境内

 

佐保姫さんは春をつかさどる神様です。

その神様は佐保山に住んでおられる女神で、佐保山は平城京の都から東方にあり、東を季節に配すると春にあたるので、春の神様と信じら

れていました。

きっと佐保山や佐保川沿いには、いろいろの美しい春の花が咲いていたと思います。

因みに都の西方には紅葉で有名な竜田山があり、西は五行説では秋に配されるので竜田姫は秋の神様なのです。

『万葉集』の中に「佐保」は道の名や河(川)の名前で数多く詠まれており、前時代の藤原京の飛鳥川のように、佐保河(川)は水の澄む清ら

かなところから、みそぎをする水ごりの川となっていました。

附近は今で言う高級住宅地だったのでしょうか、左大臣であった長屋王の佐保宅があって、この時期花をめでて文人たちの社交的な集まり

がひんぱんに開かれ、多くの歌が生まれた所でもありました。

出来ることなら花の影からちょっと覗き見したい気がします。

2018.03.18
春色至りぬ
テーマ:境内

 

国宝の拝殿に春光伸び、廊下には吊り燈籠の影を映す。

春情いでて風光る感強しと言ったところ。

東京都心での桜の開花が報じられ、平年よりも9日も早いらしい。

これから毎日、紙上には各地名所の開花情報が満載され、気も漫(そぞ)ろにゆったりした花見を渇望することとなる。

でも明日から2、3日は雨の予報で、当地の開花はいつなのか、気は桜に釘付けとなる。

今の時期一雨ごとに極めて色濃く春の気配となり、この雨で春草の芽生えにスイッチが入り、咲き出すらしい。

冬の雨は寒く暗く淋しいが、春の雨は明るく、花を呼んでくれるのでとても喜ばしい。

2018.03.15
桜ボンボリ
テーマ:境内

 

初夏を思わせる日が続き、やっと梅が満開近くとなり、連日梅の名所は人集り(ひとだかり)です。

それに触発されてのことなのか、手回しよく石上神宮外苑公園と桜並木には桜のボンボリが設置されました。

梅の名所は冷や冷やで早く満開にならないといけないそうで、桜が咲き出すと行楽の人たちはすべて桜の方へ行ってしまうらしいです。

やはり桜に軍配が上がります。

その桜はと言えば、花の欠片(かけら)も見えませんが、木末(こぬれ)は日に日に充実してきており、急いで咲く準備をしているようで、開

花は早まりそうです。

ましてや桜ボンボリをつけられたものですから、捩り鉢巻(ねじりはちまき)で頑張っているに違いありません。

桜のライトアップは今月24日からで果して何時頃(いつごろ)咲き出すのか、まだ固く何の気配もない梢を見て、少々ウキウキしてきまし

た。

2018.03.12
ひなたデビュー
テーマ:境内

 

心配げに雛を見守る親鳥、自身が生み落とした卵とほかの鳥の卵も合わせてずっと温めること21日、無事にひよこが誕生しました。

以後親鳥の羽毛に包まれて順調に成長、春の陽光が降り注ぐ絶好の日和となった今日、初めての日向(ひなた)デビューとなりました。いつ

にも増してピヨピヨと元気に動き廻っています。

傍らには必らず母鳥がいて、気の優しい巫女さんが近づいても、警戒音とともに見ていてもわかるほどの緊張した姿となります。

その親鳥の雛に向ける視線を見ていると、たった21日の愛情だけではない深い深い母の慈しみと言ったものを感じてしまいます。

決して父の慈しみではありません。

詳しく正確に調べてはいませんが、たぶん『万葉集』をはじめとする古典には父よりも母に関係する語句の登場回数が圧倒的に多いと思い

ます。

今もなお夜通し、羽根を広げて九羽のひよこを抱(いだ)く姿を見ると、そう信じざるを得ない気持ちになります。