石上神宮フォトログ 山の辺の杜から
2017.03.19
蕾は固し
テーマ:近辺散策

神宮の外苑公園の桜ライトアップが、いよいよ24日から始まります。すでに数日前にボンボリが設置され、あとは午後6時から9時まで

の点灯を待つのみですが、主役の桜の蕾はまだまだ固そうです。

先日の桜開花予想では26日だったと思いますが、どうなるのでしょうか。

『万葉集』には桜を詠んだもの46首、梅が120首、遣唐使が持ち帰った渡来の梅は、ハイクラスの宮廷人の教養の象徴とされてもては

やされますが、国風文化流行の平安以降は国産の桜がかわって脚光を浴びます。

「サ」は農事を司る神、「クラ」は納める所で、桜は農事の神様が宿る木と理解されています。

願わくば満開の桜の下で、神様に見守られながら、御酒を存分に頂戴したいものです。

2016.07.25
一陣の風
テーマ:近辺散策

一陣の風

今年は台風の発生が今のところ少ないとか、毎年の数はほぼ一定とのことなので、これから先、短期間での多数の来襲が心配されます。

日本はあらゆるものに神が宿り、風にも神様がおられ、風伯として級長津彦神(しなつひこのかみ)、龍田彦神(たつたひこのかみ)が座しま

す。

この時期特に風の神様をお祀りして、「風鎮祭(ふうちんさい)」とか「風の祈祷」などの名前で行なわれます。五穀の順調な成長、秋の

豊穣を願って、風の神様に適度な風を祈願するお祭りが、鎮守のお宮で伝統にならって斎行されています。

穀物は適度な風が吹かないと受粉せず、成長もままならないようです。

何事も然りでこの適度さの加減が難しいところです。

2016.07.06
眠くなるからネム
テーマ:近辺散策

眠くなるからネム

境内から山の辺の道を南へ、神宮の森をぬけると池の傍らにやさしい紅色の花を咲かせているネムの木があります。

昨年まではこの池に蓮も咲いて、早朝には日の光を受けてネムの花との美の競演が楽しめました。

ところが今年はどうしたことか、姿が見えず少々寂しい池姿となり、心なしかネムの花も傾(かし)げて、ハスを探しているかのようです。

『万葉集』に3首詠われ、「合歓(木)」とあり、「ねぶ」と読ませています。夜になると、葉を合わせて閉じて朝を迎え、まるで眠って

いるかのようで「ねぶ」と名付けられたことに合点が行きます。

夕方から夜にかけ葉が眠っている間は花が咲き、葉が開く頃に閉花すると云う、万葉集の謳う2首(8-1461・8-1463)の歌意の

ごとく少々意味深(いみしん)な花なのかもしれません。

因みにネムの花や樹皮は睡眠・精神安定剤に用いられるとのこと、妙に納得します。

 

 

 

2016.06.11
甍(いらか)を映す植田
テーマ:近辺散策

甍を映す植田2.jpg

田と言う田には満々と水が引き入れられ、トラクターで田掻きを終えた植田に甍が映る。

掻かれた泥水は数日を経て沈殿し、代田となって田植えを待っています。

この一週間で当地大和地方は一斉に田植えが行なわれることになります。

今高台から眺めると真昼の太陽をうけた水面が、全面鏡のごとく目映いばかりに輝き、田の横の道を走るとまるで水上を通り抜けるかのような錯覚に陥ります。

ところが所々には水が引かれなく、草がボウボウと生い茂っているのを見るにつけ、この田の主(あるじ)の境涯に思いが至ります。

山からの水は上田(あげた)から窪田へと順々に満たして下り行き、主のない所は素通りして、更に下田に進んでくまなく注水を終えます。

二千年にわたる水の流通のシステムは無農者には計り及ばぬ奥深いものがあるみたいです。

2016.04.07
真夜中の桜
テーマ:近辺散策

真夜中の桜.jpg

有名な一本桜は全国にどれだけあるのでしょうか。そんな写真集も出版されているみたいです。

山の辺の道周辺にも有名でない一本桜が何本かあり、その下でお弁当を食べるのを楽しみにしておられる方がいます。

気になる一本桜の昼間は人が多く、ゆっくりと楽しめないので、夜に毎年のご挨拶に伺いました。

もうたっぷりと日は暮れて、いよいよ家並の明りも消えていく中、意外に夜の一本桜を楽しむ人の多くいることに驚きしきり。

世の中、余程暇な人もいるものだと感心するやら、納得するやら。

ひょっとして私もその1人?