石上神宮フォトログ 山の辺の杜から
2018.07.05
苔生す松が枝(こけむすまつがえ)
テーマ:境内

 

『万葉集』の巻2-113番歌に、額田王が弓削皇子から苔生した松の枝を贈られたことに付して詠んだ歌があります。

「み吉野の 玉松が枝は 愛(は)しきかも 君がみ言(こと)を 持ちて通はく」とあって、吉野の苔生す松は誠に愛しいものです。

あなたのお言葉を持って運んでくるというのは、との意で、どのくらいの大きさの枝だったのか、その形状が気になりますが、きっと立派

な苔が生えていたのでしょう。

日本にはコケ植物は2000種ほどあると言われていて、この歌の松苔はサルオガセだとされています。

この時代松は長寿の神秘的な力が宿り、松の枝に手向けの品がかけられて、願いを込めて祈っていました。

春の到来を祈ってモミの木を飾った西洋のクリスマスツリーと国は違って遠く離れていても、主旨は案外同じなのかも知れません。

苔の生える松枝、探しに行こうと。

2018.07.01
平和に仲良く
テーマ:境内

 

一カ月程前に念願の大きな良設備の鶏舎が出来上がり、それまで社務所近辺で寝泊まりをしていたニワトリ君は都合三軒となった寝床周

辺で快適に生活しています。(?)

最近はニワトリ好きの人たちが早朝参拝の途中、参道で餌を与えるので、鶏たちは早起きして楽しみに待ち構えています。

しばらくするとこぼれた餌が見えているのか、感知能力があるのか、樹上からスズメたちがヒラヒラと矢継ぎ早に舞い降りてきます。

参道の砂利に混ざった餌を争うことなく、仲良くついばんで、はたまた小さいスズメを守るように廻りに立ち並んでいる光景を目にする

と、人間が希求してやまない平和共存の世界の実現が見えてきて、心があつくなってきます。(少々大袈裟でしょうか。)

2018.06.29
青々と茅の輪(ちのわ)
テーマ:境内

 

明日の午後5時からの夏越の大祓(なごしのおおはらえ)で、くぐる茅の輪が青々と出来上がっています。

茅の輪のことはすでに奈良時代の「備後国風土記」の逸文に、茅の輪をつける人は災厄からまぬがれるとあって、茅(かや)の呪力で疫を祓

い、無病息災を祈ってきました。

茅のほかにも菅(すげ)や真菰(まこも)も同じように用いられ、この時期の青々としたある種の植物には防腐、殺菌性をはじめとする有効な

作用が数多くあります。

それを利用したものに柿の葉ずし、笹の葉ずし、菖蒲湯、柚湯、柏餅、桜餅など日々の生活の中にたくさんあります。

鳥が巣を作る時、最初は枯れ枝や枯れ草で作り、いよいよ卵を産み出す頃になると杉などの青葉を入れるそうです。

まあそんなことで、青々とした茅の輪をくぐって、元気のパワーをいただいて下さい。

2018.06.25
私が主役(?)
テーマ:境内

牛面をつけた牛役が「モーモー」と鳴きながら登場、この牛は各地のおんだの牛と同じく、主人に従順ではなく、いろいろと脱線しながら

進んでいきます。

神田神社の境内には、白砂が敷き詰められ、四隅に忌竹が立ち注連縄で結界された神田の正面中央には、御神剣が鎮座ましましています。

この中で農作業が再現されていて、田の畦(あぜ)に小さな穴があけられ、肥料の灰を撒いて小豆を植えるなど見事に細かいところまで演

出、最後に早乙女が稲苗を植えて(置いて)終了します。

この神事で用いられた早苗は、稲の害虫除け、疫病退散、除災招福の苗として信仰されていて、祭典後にはすべて持ち帰られてしまいま

す。(1人1本ずつでお願いします。)

2018.06.23
近づく出番
テーマ:境内

 

今月の30日には、全国の神社で「夏越(なごし)の大祓式(おおはらえしき)」が行なわれます。

当神宮では午後5時からの大祓に先立って、午後1時より太鼓を「デンデン」と打って渡御をする「でんでん祭」、正しくは神剣渡御祭、

また神田神社例祭が行なわれます。

この中で神田神社の傍らに設けられた祭場にて、田植の神事を行うおんだの行事があります。

これには田を作る作男(さくおとこ)と牛の面をかぶって牛になりきる牛役と大和絣(かすり)に赤い襷(たすき)を掛け菅笠(すげがさ)をつけ

て苗を植える早乙女三名が登場します。

鍬入れの儀から田起し、畦(あぜ)塗り、大豆蒔き、土均し、早苗置、田植と続き、その道具として鍬(くわ)、鋤(すき)、箕(み)、馬鍬(まん

が)、早苗籠(さなえかご)などむかし懐かしい農具が用いられます。

この時の作男と牛役の微妙なかけ合いが面白く、場内爆笑(?)となります。(見学は自由です)