石上神宮フォトログ 山の辺の杜から
2018.11.29
着飾るお姫様
テーマ:境内

 

お姫様と言っても人間のことではありません。

今見頃を迎えている美しい紅葉をつかさどっていらっしゃるのは竜田姫(たつたひめ)という女神なのです。

これは今に始まったことではなく、時は奈良時代、紅葉の名所となっていた竜田山は奈良の都から西にあたり、当時流行していた五行説で

西は秋に当たり、美しい紅葉の神様は竜田山におられる竜田姫ということになっていました。

それでは春はと言うと、五行では春は東にあたり、都の東方にある佐保山におられる佐保姫が春の桜をつかさどる神様となっていました。

醍醐天皇がつくらせた『古今和歌集』秋下に「竜田姫手向くる神のあればこそ秋の木の葉の幣(ぬさ)と散るらめ」と詠われたりしていま

す。

今当地は秋色を染め出す竜田姫様が各所に降臨なさっておられるに違いありません。

どのような美しいお顔をしておられるのか夜目遠目モミジごしに一目拝したく存じます。

2018.11.25
輝くゴールデンイエロー
テーマ:境内

 

境内の樹令300年とも言われる大銀杏の黄金色が今、ピークを迎えています。

更に午後からは西に傾いた晩秋の日の光を真正面に受けて、ますます黄金色が照り輝き、ゴールデンイエローの美しい色合いが目に眩しい

ばかりとなっています。

もう3日程すれば落葉がはじまりそう。

桜もそうですが、よくよく観察していると、最高の輝きを放つのはせいぜい3日ほどでしょうか。

もう2、3日待てば更に最高と思えるその日が、実は最高美しい瞬間なのかもしれません。

その見極めが難しいのが世の常で、いつも自然のなす謀り事に裏切られています。

西方2キロ(?)の天理駅の2階のプラットホームからこの時期限定で、このゴールデンイエローが見えるのです。

圧倒的周囲に輝きを放つこの美色を万人に見てもらえないのが誠に残念です。

2018.11.22
御初穂(おはつほ)
テーマ:境内

 

初穂とはその年最初にみのった稲の穂を言い、これをはじめとして穀物、野菜・果物、広くは狩猟、漁業を含めて初物と称し、まずは神様

に供えるのを常としてきました。

年初より天地の神に順調なみのりを願って、いろいろな祈りが捧げられ、祈年祭、おんだ祭(お田植祭)、野神祭、早苗振祭(さなぶりさ

い)、虫おくり、風鎮債そして初穂を供えて神様に感謝する新嘗祭となります。

この初穂で思い浮かぶ四字熟語が「粒粒辛苦(りゅうりゅうしんく)」で、お百姓さんの一粒一粒にかける苦労のひととおりでないこと、秋

の収穫にむかってコツコツ苦労を重ねて努力することを言っています。

今年は異常高温、日照の問題、相次ぐ台風などで、当地の出来ばえとしては少々粒が小さかったそうです。

明日23日当神宮では新米そして新米で造った白酒はじめ海川山野の味物(たなつもの)を供えて、神様に感謝する新嘗祭があります。

皆様も粒粒辛苦を思い、感謝の気持ちをもって、おいしい新米を食べ、新しい活力をいただいて下さい。

2018.11.18
結び灯台
テーマ:境内

 

22日午後5時から当神宮の特殊神事となる鎮魂祭(ちんこんさい・みたまふりのみまつり)が行なわれる。

今に伝わるこのお祭りの淵源は神話の世界にはじまり、この時期太陽の光が日に日に弱まり、植物が枯れていく中で、同じように人間の生

命力も枯渇するかも知れない時に及んで、石上の大神様のお力により活力ある生命力をいただこうとする儀式で、一番重要な「みたまふ

り」は拝殿の最も奥まったところで行なわれる。

すべての照明が消された中、大前にかかげた御簾(みす)が降ろされ、その奥で執行され、鎮魂(みたまふり)の神業の呪言と鈴の音がかすか

に聞こえてきます。

この時、唯一の明りは拝殿正面の奥、幣殿の左右に置かれた細長い丸棒を3本結び束ねた結灯台(むすびとうだい)に載せられた油皿に点(と

も)る灯心のみで、まさに浄闇の中での秘儀となります。

時折に拝殿をすぎ行く風にかすかに揺れる灯火のゆらぎは神代の世界を彷彿とさせるものがあります。

2018.11.15
朝日に匂う
テーマ:境内

 

列島の北の方ではもう冬の知らせとなる初雪が報道されていましたが、当地はその前の紅葉がまだまだ先のことで、境内のモミジの先端が

少々色づいた程度で、12月上旬にやっと見頃を迎えそうです。

『万葉集』にモミジの宴で全山黄葉した山の色の美しさをたたえて、「わが背子(せこ)が 白たえ衣 行き触(ふ)れば にほいぬべくも

もみつ山かも」(2192番歌)と詠われていて、いとおしいお方の白い衣が通るときに触れたら、丹色(にいろ)に染まりそうに美しくモミ

ジした山であることよ、とあって、「に」は「丹」で赤色、「ほ」は「秀・穗」で表面に現れることで、「にほう」は丹色が美しく浮き出

ることを指しています。

後にこれより香りがほのぼのと立つ意に変化したとか。

それでも現代では「におう」と「かおる」ではやっぱりにおうは少々あやしい臭気が立っているようで、かおるが上品そう。

まあこれから美しくにおう山を楽しみにしたいものです。

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