石上神宮フォトログ 山の辺の杜から
2018.06.04
田を植えて甍(いらか)現る
テーマ:境内

 

当神宮周辺は今田植え真っ最中です。当地は伝統的に田植えの時期が遅く、全国の殿(しんがり・最後)かも知れません。

それでも今週、遅くとも来週の土・日曜日には大体終るものと思われます。

今村々に通じる道を車で駆け抜けると、まるで水上を走っているような感覚に陥り、少々の緊張感が湧き上がってきます。

まさしく見渡すかぎりのみずた(水田)と言ったところです。

満々と水をたたえた田を見ていると、昨今の異常と思える気象による天変地異に見舞われることなく、秋には豊葦原瑞穂国(とよあしはら

のみずほのくに)となることを願うのみです。

2018.06.01
禁足地を囲む
テーマ:境内

 

拝殿の奥は現在本殿が建っていますが、明治以前には一切の建物はなく、石上大神様の鎮まる神聖な霊域として、古絵図には「御本地」と

記されていました。

当然ながら古い時代より、この神聖な禁足地(きんそくち)を囲う垣が廻らされており、現在のものは剣先状の石製でいづれにも「布留社(ふ

るしゃ)」と刻まれ、貞享2年(1685)と刻字したものがあり、333年経っていることがわかります。

明治7年8月に当時の大宮司が官許を得て、この御本地を調査したところ、神宿る剣ほか多くの玉類・剣・矛などが土の中から出てきまし

た。

現在、禁足地の中には御神体である神剣をおさめまつる大正2年竣功の御本殿が建ち、この時に場所の関係で禁足地は後方に拡張されまし

た。

ご神剣が顕現(けんげん)されたところには大きな石が置かれていて、拝殿左右の廻廊の連子窓(れんじまど)より、目が良ければ見ることが

できると思います。

2018.05.29
母性愛の芽生え
テーマ:境内

 

どういうわけか、鳥たちは十二支を知っているわけもないが、昨年のトリ年を契機に当宮のニワトリの母性愛が断然に目覚めたのか、今ま

で生み落として、温めもしなかった卵を一生懸命に抱きだし、急に子供たちが増え、住む住宅事情が狭隘となってしまいました。

あまり狭いと鳥たちも窮屈さを感じ、ストレスがたまるとかわいそうなので、立派な一軒のお家の建設を計画し、この程楽しい我が家が完

成ました。トリ君たちはいち早く新居に入り、その様子をよく見ていると、鳥にもいろいろのタイプがあるみたいで、休む時は止まり木派

と地べた派があるみたいで、心配をよそに棲み分けがしっかりとできていました。

早速にお気に入りの止まり木で元気に鳴いています。めでたし。

2018.05.26
蕺草(どくだみ)の花たち匂う
テーマ:境内

 

いま半日陰のやや水気のある所に、ドクダミの白い花がいくつも清楚に咲いています。

美しい花を咲かせているのに、ドクダミとは可哀相な名前で、他にも気の毒な草名は夏に花をつけるヘクソカズラがあり、ドクウツギ、ド

クニンジンなど誰が命名したのか、まさか牧野大先生ではないと思いますが、同情してしまいます。

ドクダミは毒を矯(た)める、止(と)めるの意とされ、確か牧野富太郎先生は名の由来を毒痛みからと説いていたと。

蕺薬(しゅうやく)からじゅうやくと呼ばれ、十薬、重薬の字が当てられ、10種の薬効があるそうです。

本よれば、利尿・解熱・排膿・解毒などの作用があり、はれ物・高血圧・肺結核・感昌・蓄膿症・痔・便秘によく、抗菌性・抗カビ性があ

るそうです。

但しヘクソカズラと同じく、切り取ったりすると毒ではありませんが、独特の好ましからざる匂いがします。確かめたい人はどうぞ。

2018.05.23
そよ吹雪は無名画家
テーマ:境内

 

社務所の向い側には鏡池があって、江戸時代の絵図には「石上池」と記され、相当古い時代からあったものと思われます。

ここには国の絶滅危惧種となる「ワタカ」(奈良県指定天然記念物)という草食を好む魚が生息しています。

この他にもコイ・フナ・ウナギ・亀など山から流れ込む養分豊かな水により、かなりの数の魚たちが生活しています。

残念ながら特別の浄水施設は設けていないので、鏡池と言っても真澄(ますみ)の鏡のようによく澄んでいるわけではありません。「水清け

れば魚棲(す)まず」で魚たちにとってはかえって好都合なのかも知れません。

それでも陽が上がる午前中には新緑の美しい色を水面に映し、その上をそよ風が渡ると、黒と緑色の見事なアブストラクト・アート(抽象

画)を描いて去って行きます。

どれも同じ画はないので、ボーっと見ていると楽しいものがあります。